・・・というはなし。

ひびこれよきひ

一本の樹に

 

 

この命に「次」があるのなら

大地を守る

一本の樹になりたい

 

深い森林の中

誰の目も気にしない

遠慮もいらない

のびのびと枝葉を伸ばし

自分が美しいと感じる色の花をつけ

鳥の腹を満たすだけの

小さな実をつける

 

夏には蝉が大声で叫ぶ

あなたが疲れたなら

木陰で休んでいけばいい

 

秋には

金色の夕陽に照らされ

ゆっくりと葉を落とす

 

冬は ……。

寒いのはちょっと苦手だから

世界から一番遠い場所で

リスやネズミたちと

深く深く眠っていよう

 

光が春色に変わったら

風に葉を揺らし

光を散らかして遊ぼう

 

空からこぼれ落ちそうな

星を眺めながら

朝を迎えて暮らす

 

ひばりの声に見送られ

土に還る

幸せの歌だ

 

愚かな感情や言動で

誰かの

地球の負担にならない一生

 

この命に「次」があるのなら

一本の樹に、きっとなろう

傷ついてきた

大地を

あなたを

守る

一本の樹に

 

 今は

それができる自分じゃないから

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